~2050年瀬戸内海への海洋プラスチックごみ追加汚染ゼロを目指して~
リサイクルボックス周辺の散乱状況等を検証|令和6年11月18日から広島県内にて実施
一般社団法人全国清涼飲料連合会(会長:本庄 大介、以下「全清飲」)は、海洋プラスチックごみ対策に係る官民連携組織体「GSHIP(ジーシップ)*1」の参画会員として、広島県(知事:湯﨑 英彦、以下「県」)と連携し、自動販売機横に設置されている新機能リサイクルボックス(以下「自販機横新機能RB」)を活用した新たな実証事業を、11月18日(月)~12月11日(水)の間、廿日市市宮島口周辺及び福山市鞆の浦周辺にて実施します。
なお、本事業は、令和5年10月に設立された瀬戸内海プラごみ対策ネットワーク*2(以下「瀬戸プラネット」)の重点アクションの一環として実施するものです。
本事業のポイント
- これまで、全清飲と広島県が広島市内など都市部を中心に実証実験してきた自販機横新機能RBの散乱防止効果等を、観光地や景観配慮区域等の他地域にも拡大させていくため、カッティングシール等で周囲の景観と調和したデザインに新たにアレンジし、統一的なデザインとして汎用性を持たせた上で、自販機横新機能RBの導入を進めていく取組です。
- 回収対象外のごみ(紙、プラスチックカップ等)は、周辺に設置されているごみ箱への誘導や持ち帰りを促すとともに、ペットボトルの3分別(ボトル、キャップ、ラベルの分別)や飲み残しの削減について、ナッジ等を活用したイラストやPOPで掲出・可視化することで、適切な分別とペットボトルの3分別をどれほど促すことができるのか、その効果を検証します。
- 本事業は瀬戸プラネットの重点アクションの一環として実施し、得られた検証結果は関係府県に共有するとともに、各地域での導入拡大に向けた検討材料にしていきます。
*1 GSHIP:「GREEN SEA 瀬戸内ひろしま・プラットフォーム」の略。
瀬戸内海に新たに流出する海洋プラスチックごみの量を2050年までに「ゼロ」にすることを目指して、県が官民連携組織体として令和3年6月に設立したプラットフォーム。全清飲をはじめ、飲料メーカー、小売・流通、素材、製造メーカー、県内全市町など、130社・団体(R6.11.18時点)が参画している。
*2 瀬戸内海プラごみ対策ネットワーク(略称:瀬戸プラネット)
日本最大の閉鎖性海域である瀬戸内海において、関係府県が連携・協力し、地域全体で効果的・効率的にプラスチックごみ対策に取り組むため、関係14府県と環境省で設立されたネットワーク。
【構成メンバー】
・瀬戸内海関係14府県
滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、奈良県、和歌山県、岡山県、広島県、山口県、徳島県、香川県、愛媛県、福岡県、大分県
・環境省(本省、地方環境事務所)
デザイン付新機能リサイクルボックスの概要
○全体デザインは、落ち着いた色合いかつ各設置場所の景勝地をデザインしたカッティングシールを貼付し、周囲の景観と調和した形状とします。
また、投入口には、飲み残し及びボトル本体、キャップ、ラベルの“3分別”に係る啓発シールを貼付し、自販機横新機能RBでの適切な分別を促進します。
○投入口の横には回収対象物(ペットボトル、缶、びん)をイラストで標記するとともに、宮島口周辺に設置する自販機横新機能RBには、周囲の公共ごみ箱の位置情報やごみの持ち帰りを促すWebページを、鞆の浦周辺に設置する自販機横新機能RBには、全清飲が作成した飲み残しに係る啓発動画の2次元バーコードを標記し、自販機横新機能RBの適正利用及び分別回収を促進します。
実証事業の概要
●時期:令和6年11月18日(月)~12月8日(日)(約1か月間)
【①既存リサイクルボックスでの事前測定(現状把握)】11月11(月)~11月17日(日)
【②デザイン付新機能リサイクルボックスの効果検証】11月18日(月)~12月8日(日)
●場所:広島県 廿日市市宮島口周辺 及び 福山市鞆町周辺(計9地点)
※併せて、同デザインの自販機横新機能RBの面的拡大として、上記地域の周辺エリアを中心に、計100台程度を12月以降順次設置予定。
●検証内容(予定)
・周辺の散乱状況の変化
・回収物の組成分析(※異物混入、3分別・飲み残し状況の確認)
<本件に関するお問い合わせ先>
■本事業及び瀬戸プラネットに関すること
広島県 環境県民局 環境保全課(担当:秋山、増田、小笠原)
電話:082-513-2925 メール:kanhozen@pref.hiroshima.lg.jp
■デザイン、設置場所に関すること
一般社団法人全国清涼飲料連合会(担当:稲野)
電話:03-6260-9272 メール:ineno@j-sda.or.jp
参考
広島県における新機能リサイクルボックスの取組状況
令和3年度
■新機能リサイクルボックス実証実験
・広島県と連携し、広島市内の河川等付近の繫華街や商店近隣等の自動販売機横のリサイクルボックスを新機能リサイクルボックスに置き換え、設置後の異物混入率の低減や周辺の散乱状況の改善を確認した。
【調査結果グラフ】
【散乱がなくなった地点の事例】
令和4年度
■ナッジ理論を活用した自販機横の新機能リサイクルボックス設置よる効果検証
・広島県等と連携し、自販機横の新機能リサイクルボックスの普及促進とともに、新機能リサイクルボックスにナッジ理論を活用した啓発シールを貼付した上で、貼付前後でのポイ捨て防止及び周辺の散乱防止効果を検証し、ナッジシールごとの散乱防止効果などを確認した。
4パターンのナッジシールを貼付し、周辺の散乱状況等を把握
右記の【ウォーム・グロー(社会的選好)】イラストバージョンが最も効果があった。