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清涼飲料業界、物流課題改善への取り組みを開始

2024年問題を見据えて
清涼飲料業界、物流課題改善への取り組みを開始
安定的な物流の実現目指す

 一般社団法人全国清涼飲料連合会(会長:松尾嘉朗、以下「全清飲」)は、清涼飲料業界におけるトラック輸送・運転者が現在、直面している状況や2024年問題*と呼ばれる物流課題を踏まえ、今後も安定的に商品供給を行うため、物流事業者の負担軽減などの物流改善に取り組みます。

【物流を取り巻く現状の課題】
 トラック輸送・運転者を取り巻く環境は、「人手不足」「高齢化」「長時間労働」「低賃金」「トラック調達コストの上昇」「荷待ちにおける長時間待機」「荷卸しや付帯作業の増加」などにより非常に厳しく、運転者不足が深刻化しています。
 さらに2024年には労働基準法の時間外労働上限規制が適用されることで、この状況はさらに深刻化すると予想されています。
*2024年問題:トラック運転者の総需要が2025年前後に18%程度不足することに加え、労働基準法の上限規制が加わり、輸配送能力は現状の70%程度と推定されています。(鉄道貨物協会、日本ロジスティクスシステム協会などのデータより)

【国も物流課題の取り組み強化】
 物流課題については、国も近年さまざまな対応を行っています。国土交通省は2017年に「トラック業界の正しい利益を確保し、健全な経営やトラック運転者の雇用を守る」ため、「標準貨物運送約款」を改定し、ガイドラインを発表するなど、ホワイト物流への取り組みを強化しています。

【安定的な商品供給を目指して】
 清涼飲料業界は、加工食品の中でも最大級の物量を全国に配送しており、輸送ルートも多岐にわたること、加えて災害時は生活のライフラインとして緊急配送も必要となるなどの特徴があります。
清涼飲料業界では、この物流本課題を真摯に捉え、生活者にとって必要不可欠な清涼飲料水を、今後も安定的に取引先に配送するために、ドライバーの長時間労働につながる配送先での「長時間待機の削減」や「付帯作業の改善」にむけ、関連業種などとともに、改善に向けて取り組んでまいります。また、物流におけるDXの推進など具体的施策の検討を開始します。
 また物流の改善は、CO2排出抑制、省エネ化の観点でも非常に重要です。清涼飲料業界では、輸送ルートの効率化や共同配送、モーダルシフトなどを進めていますが、今後も取り組みを推進していきます。

 今回の清涼飲料業界の取り組みについて、国土交通省・経済産業省からそれぞれ応援メッセージをいただきました。

【国土交通省】
トラックドライバーの働き方改革の推進は、今後も持続可能な物流を維持していくうえで喫緊の課題です。特に清涼飲料の物流は長時間の荷待ちや契約上不明確な附帯作業があり、ドライバーの大きな負担となっています。この取り組みが清涼飲料業界全体に広がり、荷主と運送事業者が協調した物流環境の改善が一層進むことを期待しています。

【経済産業省】
物流効率化を進め、フィジカルインターネットの実現を目指していくに当たっては、物流事業者のみならず、発荷主・着荷主を含むサプライチェーン全体での連携が欠かせません。今回の取り組みにより、各主体が物流課題を解決するための役割を見出し、持続可能な物流の構築が推進されていくことを期待しています。

 物流課題への取り組みは、ライフスタイルの変化、宅配需要の増加などに伴う物量拡大への対応に加え、カーボンニュートラルや省エネへの取り組みなど、新たに生じる様々な物流課題への対応が、今後もますます重要になっていきます。清涼飲料業界では今後も、国交省や経産省など関係省庁や関連業界・団体と連携しながら、サステナブルな物流の仕組み作りに取り組んでいきます。