2030年ボトルtoボトル比率50%宣言 「ボトルtoボトル東京プロジェクト」報告  | インフォメーション・ご案内 | 全国清涼飲料連合会

2030年ボトルtoボトル比率50%宣言 「ボトルtoボトル東京プロジェクト」報告 

清涼飲料業界 ペットボトルからペットボトルへの水平リサイクル

2030年ボトルtoボトル比率50%宣言

地上の資源を最大活用してペットボトルを再生・創造する
サーキュラー【循環】&エコロジカル【共生】・エコノミーの世界のトップランナーを目指して

「ボトルtoボトル東京プロジェクト」報告

1. 2030年ボトルtoボトル比率50%宣言

 清涼飲料業界の業界団体である一般社団法人全国清涼飲料連合会(東京都千代田区、会長:米女太一、以下:全清飲)は2018年11月に「清涼飲料業界のプラスチック資源循環宣言」としてペットボトルの100%有効利用を目指すことを発表しました。
 そしてこの度、清涼飲料業界として2030年までにペットボトルの「水平リサイクル」である「ボトルtoボトル」※1比率50%を目指すことを宣言します。
 循環型社会への貢献とCO2を含む環境負荷低減に向けては、地上にすでにある資源を最大限に再活用するサーキュラー【循環】&エコロジカル【共生】・エコノミーを構築することが重要と全清飲は考えます。清涼飲料水のペットボトル商品に使用されているPET(ポリエチレンテレフタレート)は、清涼飲料水の容器として適しているだけでなく、最もリサイクルに適したプラスチック材料の一つであり、使用済ペットボトルは正しく回収されれば、元の素材と同等の品質に何度でも戻すことができます。使用済みペットボトルを何度もペットボトルに循環させるリサイクルは「ボトルtoボトル水平リサイクル」と呼ばれ、同じ材料を何度も資源循環させる理想のリサイクルです。「ボトルtoボトル」の推進は、地上にすでにある資源の再活用であり、化石由来資源の削減とCO2※2の削減に寄与することが可能となります。今回の「2030年ボトルtoボトル比率50%宣言」は、現状の技術と経済性に基づいた宣言です。将来的には、「マテリアルリサイクル技術の進歩」と「ケミカルリサイクルの確立」を通じてより高い「ボトルtoボトルリサイクル比率」を目指します。    
 さらに、「植物・生物由来のPET素材」の開発の進展により、新規の化石由来資源の使用削減を促進します。これらを実現することによって、「地上の資源を最大活用してペットボトルを再生・創造する=サーキュラー&エコロジカル・エコノミー」において世界のトップランナーを目指します。

※1 「ボトルtoボトル」:ペットボトルをリサイクルして再びペットボトルとして使用する理想的な循環型リサイクルシステムで、何度も繰り返しペットボトルを資源循環できます。
※2 CO2排出量の削減効果56~63%。(リサイクルペットレジンの製造・販売会社HPより)

 下のグラフは、2019年の使用済みペットボトルの地域別回収率とリサイクル率です。日本は、欧州と米国との比較で回収率、リサイクル率ともに圧倒的に高い水準にあり、ボトルtoボトル推進の基盤は確立されているといえます。

2. 「ボトルtoボトル東京プロジェクト」結果報告

①目的
(ア)ボトルtoボトルの推進には、使用済みペットボトルの確実な回収と、よりきれいな状態で集めることが重要。

(イ)きれいな状態で集めるには、特に「消費者接点(消費者が排出する時点)」での消費者の理解と協力が必要。

(ウ)この取り組みの一環として、農林水産省より「令和2年度食品産業プラスチック資源循環対策事業」として支援を受け、さらに2020年8月東京都と「ボトルtoボトル東京プロジェクト」キックオフ。東京都内で実証実験を協働で開始。

②「ボトルtoボトル東京プロジェクト」の2つの実証実験
(ア)新デザインのリサイクルステーションを使った消費者の分別に対する行動変革の検証(2021年1月~2月)
機材デザインと啓発メッセージによるペットボトル・キャップ・ラベルの3分別回収について検証。
駅、配送センターなど現状はペットボトルの回収機会が提供されていない場所で、消費者ニーズの把握と新しい回収機会の場所での3分別回収について検証。

(イ)自動販売機横のリサイクルボックスの異物混入対策としての「下向き投入口」デザインの検証(2020年11月)

③実証実験で使用した機材

④実証実験場所一覧

⑤結果総括

(ア)オフィス:適切な啓発メッセージと機材により、3分別(ペットボトル・キャップ・ラベル)へ進化させることに対しての消費者理解は得られることが確認された(3分別達成率81~95%)。実証実験ロケでは、実証実験終了後も3分別の実践を継続していただいているケースもある。

(イ)駅:通学・通勤途中で飲み終わった飲料容器の排出ニーズを確認。環境意識も高く、分別排出したいという意向が強い。3分別には理解が得られることを確認(3分別達成率81%)。当該ニーズに将来的にどのように対応するかが課題。

(ウ)配送センター:配送センターに出入されるドライバーの皆様は飲み終わった飲料容器の排出場所を求めていることを確認。3分別には理解が得られることを確認(3分別達成率70%)。当該ニーズに将来的にどのように対応するかが課題。

(エ)学校:緊急事態宣言の影響によりサンプルデータの確保に苦慮した。大学では3分別の協力も見られたが、高校では用意した啓発メッセージが十分に届いたとは言えず、今後はステークホルダー別の啓発戦略が課題となる。

(オ)自動販売機横の新デザインのリサイクルボックス: 自動販売機横リサイクルボックスの異物低減策としての「下向き投入口」は仮説どおり減少につながった(異物混入率43%→29%)。今後、他エリアで実証実験を実施し、汎用型の検討をしていく。

(カ)大規模分別回収啓発メッセージ発信:三菱地所㈱様にて、「ボトルtoボトル東京プロジェクト分別啓発」ポスターのサイネージ版を丸の内ビジョンで2021年1月19日~25日まで投影。

「ボトルtoボトル東京プロジェクト」協力企業、団体一覧(あいうえお順、敬称略)

実証実験では多くの企業様・団体様にご協力をいただきました。この場をお借りして、改めて厚く御礼申し上げます。
株式会社JR東日本環境アクセス
株式会社JR東日本クロスステーション ウォータービジネスカンパニー
センコーグループホールディングス株式会社
センコー株式会社平和島PDセンター
公益財団法人日本サッカー協会
三菱地所株式会社
早稲田大学西早稲田キャンパス
早稲田大学高等学院
問い合わせ:一般社団法人全国清涼飲料連合会 広報担当 03-6260-9260