東日本大震災津波発生から5年にあたり  | インフォメーション・ご案内 | 全国清涼飲料連合会

東日本大震災津波発生から5年にあたり 

 東北地方を中心に未曾有の被害をもたらした東日本大震災津波※の発生から5年が経とうとしています。

 この震災により犠牲となられた全ての方々に対しご冥福をお祈りするとともに、最愛の御家族や御親族、御友人を亡くされた方々に哀悼の意を表します。

 被災地をフランチャイズに事業展開をしてきた私は、かけがえのない多くの命や大切なものが失われたことを決して、忘れることができません。今いちど、当時のこと、そして清涼飲料水が果たした役割についてお伝えいたします。

 巨大地震津波によって沿岸は、水道、電気、ガスなど、全てのライフラインが機能を停止し、暗闇と寒さに包まれた極限状態に置かれました。3月11日、地震発生から2時間後の午後5時過ぎに、私の会社であるみちのくコカ・コーラボトリング(株)は岩手県、青森県から災害協定に基づく飲料水提供の要請を受けました。
 岩手県内陸にある本社でも電気は止まり、電話もほとんど通じない状況で、太平洋沿岸の八戸、久慈、宮古、釜石、大船渡の5営業所においては、当社自身も甚大な被害をこうむりましたが、あらゆる手段を駆使して水とルートカーを手配し、被災された皆様に飲料水をお届けし続けました。それは一人でも多くの人命を救うための必死の行動でありました。
 通常、生活に必須な各種インフラ設備を「ライフライン」と呼びますが、私は「命綱」と解釈しています。被災直後、人々の命を救うという本当の意味で「命の綱」となったのは、「水」と「電気」でした。この経験によって、私は飲料水が消費者の日常生活に潤いを与える嗜好品のレベルをはるかに超えた、災害時に人々の命を救う重要な「命綱」であるということを身をもって実感し、飲料ビジネスにおける社会貢献の大きな可能性を強く感じました。
 天災はいつ、どこで発生するか分かりません。5年前の教訓を踏まえ、全清飲は会員企業それぞれが有事の際の支援体制を整え、災害発生時には業界全体が一致団結して飲料水提供に取り組む、そういった備えで臨んでいくことをあらためてお伝えします。
   

一般社団法人 全国清涼飲料工業会
会長 谷村 邦久
(コカ・コーラ協会 会長)
(みちのくコカ・コーラボトリング(株) 代表取締役会長)

※「東日本大震災津波」と記しているのは地震に加え、津波の被害が甚大であったことを伝え、残していきたいとの想いからです。