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知る・学ぶ組合会員探訪 > #02・#03 大阪府清涼飲料工業協同組合

大阪府清涼飲料工業協同組合

個々の道で頑張りながらも
大阪は結束力が強いんや

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大川佳文(おおかわ・よしふみ)/大阪府清涼飲料工業協同組合理事長。大川食品工業株式会社代表取締役。

全国にある組合の中でも、一、二を競う活気と団結力の「大阪府清涼飲料工業協同組合」。組合の長い歴史とその中で築かれてきた組合員同士の絆など、大阪ならではの魅力を夏号と秋号にわたってご紹介します。今号では大阪の清涼飲料水の歴史と、組合で参加しているイベントについてうかがいました。

――大阪の清涼飲料水の歴史と組合の歩みをご紹介ください。

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辻井達(つじい・さとる)/同副理事長。株式会社辻井鉱泉所代表取締役。

大川 大阪で清涼飲料水の製造販売が始まったのは1874年。明治から昭和にかけてラムネ屋は大繁盛し製造業者が増えましたが、戦争によってその数は激減。戦後、活気がもどってきて組合が発足し、現在の「大阪府清涼飲料工業協同組合」は、1950年の中小企業等協同組合法を受けて設立しました。初代理事長は小池友蔵氏です。小池氏は当組合で活躍後、全清飲設立の基礎を作り、64年には全清飲の理事長にもなっています。多くの先人の努力があって、今の組合があります。

 我々の父親世代が中心となっていた55年~70年頃が最盛期。めちゃめちゃ売れてよう儲かった時代でした。約100社の組合員同士が、取引先をとりあってもめるほど勢いがありました。その後は、難儀な時代、たくさんの仲間が廃業していきましたが、現メンバーはそれぞれが個性を磨いて生き抜いてきたんや。

辻井 OEMをやっているところ、濃縮飲料に特化しているところ、リターナルびんにしぼっているところなど、みんなそれぞれの道で頑張ってるわ。せやけど、組合として集まったときの結束力は強いんや。

――長年、組合を挙げて取り組んでいる一大イベントとはどのようなイベントなのでしょうか。

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秦啓員(はた・ひろかず)/同副理事長。ハタ鉱泉所株式会社代表取締役社長。

大川 4年に一度、大阪で開催されている食の博覧会、通称『食博』。今年5月で9回目の開催で、来場者は60万人にもなる大きなイベントです。組合としては第4回から毎回参加してます。全国展開の大手企業の出展が中心で、中小企業が団結して参加しているのはうちの組合だけ。これからも組合員同士力を合わせて、大阪で生産されている清涼飲料水の魅力やおいしさを、日本全国さらには海外に向けて伝えるために頑張るで!

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2017年『食博』。ラムネとサイダーを約1万本売り上げました。
大阪府清涼飲料工業協同組合の足あと

明治から現在まで、時代の流れを読みながら、
大阪の地で清涼飲料業界を盛り上げてきた組合の歴史をご紹介します。

  • 1909年

    「大阪清涼飲料水同業組合」設立

    法令に基づいて発足した大阪初の正式な組合。設立当時の組合員数は、製造業、仲卸業合わせて180社。1930年には、379社の会員数に。

  • 1939年

    製造業のみで「大阪府清涼飲料工業組合」を設立

    「大阪清涼飲料水同業組合」が「大阪府清涼飲料工業組合」と「大阪府嗜好飲料工業組合」に分割され製造業者のみの組合になった。

  • 1944年

    戦時中により組合員激減

    第2次世界大戦下での業者の統合や廃業の強制により、残存業者は12社に。割り当てられた原資材で細々と営業。

  • 1947年

    「大阪府清涼飲料工業協同組合」設立

    商工協同組合法に基づいて設立。大阪府下の製造業者は、47年に38社、49年に87社ま
    で増加。戦前の活気を取り戻し始める。

  • 1950年

    「大阪府清涼飲料工業協同組合」が発足

    中小企業等協同組合法の施行にともない、組合名はそのままに組合の組織を変更。現在の組合の始まり。

  • 1953年

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    戦後初となる「清涼飲料水品評会」を開催

    大阪・南区で開催の品評会に向け、組合員同士が製品の品質を競い合った結果、各社の製造技術が大きく向上した。

  • 1960年

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    組合の統一商標「スイト・ゴールド」の製造販売を開始

    組合初となる統一商標商品の製造販売に着手。61年には組合始まって以来のテレビ宣伝を実施。

  • 1962年

    組合員は117社。組合では大規模な消費実態調査や他県の視察など積極的に活動。

  • 1972年

    大阪清涼飲料青年会が誕生。清涼飲料各社の若手が集まって、親睦を深めつつ、業界の活性化を目指す。

  • 1978年

    組合統一商標の缶入りサイダー「フジサクラサイダー」を製造販売

    75年に缶入り飲料、77年にラムネがブームになる。缶入りラムネが発売され話題を呼び、公正取引委員会よりラムネの定義が公示。時代の流れを汲み、78年に組合統一商標の缶入りサイダーの製造販売を開始。

  • 1979年

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    現、大阪清飲会館が竣工

  • 2000年

    組合設立から50周年を迎える

    記念式典と記念誌を発行。新たな時代を前に、組合員が団結、協力して、さまざまな課題に取り組み、組合のさらなる発展のために活動していくことを決意。

  • 2017年

    組合員数30社。それぞれ個性と魅力あふれる清涼飲料水を製造販売。

大阪府清涼飲料工業協同組合会員社一覧
稲村鉱泉所 大阪市浪速区恵美須西3-9-7
大川食品工業(株) 大阪市港区南市岡3-5-21
カタシモワインフード(株) 柏原市太平寺2-9-14
河内食品(株) 堺市北区野遠町28
(株)神田屋 八尾市恩智南町5-38
(株)キヨ水商会 堺市堺区宿屋町東3-3-38
(有)小谷鉱泉所 大阪市北区本庄東2-15-17
カサ、プロスペリータ101
寿屋清涼食品(株) 柏原市本郷3-8-38
(株)サカイ 大阪市北区同心1-4-5
坂井食品工業所 泉佐野市鶴原5-2-6
(株)ジーエスフード 東大阪市鴻池徳庵町7-49
シスター鉱泉所 四條畷市蔀屋新町4-14
(株)城東鉱泉所 東大阪市西鴻池町1-4-17
杉野鉱泉所 泉南市信達牧野1296
大一食品工業所 吹田市豊津町36-2
(株)大黒屋 大阪市福島区玉川2-9-26
(港工場)大阪市港区福崎3-1-61
竹中鉱泉所 阪南市阪南町尾崎2-18-8
中央鉱泉所 大阪市西淀川区姫島1-5-20
(株)辻井鉱泉所 門真市江端町14-2
(株)中村商店 大阪市此花区島屋4-4-69
(株)日本サンガリア・
ベバレッジ・カンパニー
大阪市東住吉区中野4-2-13
野田ハニー食品工業(株) 徳島県吉野川市鴨島町内原144
ハタ鉱泉(株) 大阪市都島区都島北通1-10-20
富士食品飲料工場 大阪市生野区巽中1-13-7
プラム食品(株) 和歌山県西牟婁郡上富田町生馬1474-1
ホワイト食品(有) 大阪市東淀川区菅原7-1-22
桝井食品工業(株) 大阪市生野区舎利寺1-7-20
丸八薬品工業(株) (本社・工場)大阪市住之江区粉浜3-12-16
(健食企画室・工場)大阪市住之江区粉浜3-12-12
(株)森井食品 大阪市生野区生野東3-3-49
大和食品工業(株) 大阪市大正区三軒家西2-5-2
吉田鉱泉 茨木市上泉町8-13

いつもオープンな姿勢で、
成長を目指すのが大阪らしさや

前号に引き続き、大阪府清涼飲料工業協同組合をご紹介します。今号では、組合員同士がどのように関係性を深めてきたのか、また大阪らしい理事会の姿勢や、組合が今後どのような存在を目指していくのか、大川理事長と秦、辻井副理事長にうかがいました。

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「これからも力を合わせて頑張るで!」と語る大阪府清涼飲料工業協同組合のみなさん。

――組合員が多いですね。どのようにコミュニケーションを図っていますか。

大川 組合員が一堂に会する機会は頻繁に持てませんが、研修旅行や理事会など、会えば必ず熱心な意見交換や情報共有を行っています。特に、年に1回、1泊2日で開催している研修旅行は、組合員同士の重要なコミュニケーションの場。長年続いている行事です。組合員だけでなく、協力会社や取引先の方の参加も大歓迎! 関係者なら誰でもウェルカムなのが、大阪らしいところですわ。

辻井 理事会も、繁忙期の7、8月以外は毎月開いています。月1で理事会を開いている組合はそうないと思いますよ。以前は、若手 が集まる青年部や、地区ごとに集まる部会もありました。大阪の組合員は、忙しくてもみなよう集まる! 和気あいあいと、清涼飲料業界の成長を目指して話をしてきたんや。

 理事会もオープンで、理事だけでなく後継者の同席も認めています。私らもかつて親父について参加し、先代の頑張っていた背中を見てきたからこそ、今があります。最近は3代目、4代目が理事会に参加して、活発に意見を交わしていますよ。若手が入ると、理事会も活性化しますわ。

――今後どのような存在を目指していくのでしょうか。

大川 中小企業は長年厳しいと言われながらも、ラムネ、シャンメリー、焼酎割商品など、中小企業分野商品で頑張ってきました。これからも、守るものは守り、攻めていくものは攻めていかないといかん。せやから組合活動では、個社だけでは得にくい最新情報を共有したり、知恵を持ち寄って話し合えるようにしたい。そうやってみなの手助けになれたらと思っています。後継者も関係各社も全清飲も巻き込んで、みなの飛躍につながる場になることを目指していきたいと思います。

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左から、副理事長の秦さん、理事長の大川さん、副理事長の辻井さん。それぞれ2代目として家業を継ぎ、大阪の清涼飲料業界を盛り上げるべく、若い頃から共に尽力してきました。
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